0510相場分析 | 国際経済・為替情報分析

0510相場分析

■総論
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「米指標は決して弱気一色ではない。FOMCは文言修正無しで肩透かしではないかと思う。問題は市場の構え。ハト派を期待する向きが多いと、ドルが上がってしまうかも」と書いた昨朝の懸念が的中し、「露払いが済んだような安心感」は肩透かし。まぁ120円で買うべきではない、という見通しは今のところ当たりのようです。
FOMCは前回と変わらず、ドル円はレンジ内やや戻して終わりと鳴かず飛ばず。動きませんね。こういう時にはつくづく、スワップがほしい……なおポンドがもとのレベルにしっかり回復。ユーロはまだ162円台で低迷。ユーロドルが一段と落ちたでしょう。(チャートを見ていないのですが)

今夜はECB(予想据え置き)とBOE(予想0.25利上げ)の政策金利。といってもFOMCの様子からして、よほどのサプライズがなければ動くと思えず。ただ、一部にBOEが0.25ではなく0.5利上げに踏み切る可能性が指摘され、それでポンド円が239台を回復したとの指摘あり。すると0.25という結果が出たら落ちるだろうか。私は0.25を予想する。サプライズは起こりにくいからサプライズなのだ。

対中圧力は一時的に話題から消えている感あり。サブプライムもディーラーの間では消えたとのこと。ECBとBOEも終われば、テーマ不在の凪相場か。それとも期待に応えて下げてくれるのか。まずは今夜8時を待つ。

なお、あるアナリスト(私はこの人物を人間的にまったく信頼していないが……)が、ポツダムG8でヘッジファンド規制が話題に上ること、5~6月がヘッジファンドの決算期であることを理由に、キャリートレードの大きな巻き返しがあると予測している。まぁ真に受けることはせず、そんなこともあるかもね、程度に読んでおきたい。


■経済
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やや気になるのは、欧州はインフレつぶしのために欧州通貨高を容認している気配。そうなるとあまり深い調整には、逆に不快感を示す恐れも。ただ、ドイツから円安への苦言とおぼしき発言も出た模様。気にし過ぎなくてよいか。

なお、キャリートレードについて「実態は把握出来ていないが、規模は言われているほど大きくない」という冷静な見方が出ている。


■政治
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ECB、BOEに日銀政策決定会合、G8、米中対話と、注目の材料は多い。ECBは声明に注目。日銀はポツダムG8の前に円安批判をかわすための利上げを実行するのではないかと言う。対中圧力はWTO提訴が6/10に、対中関税の結論が6/13に出る様子。


■チャート
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いまチャートを見ていないのですが、一昨日朝、ユーロドルの時足について「あと1日か2日のうちに反落しそう」と書き、その日のうちにちょうど良いレベルに下げた。次に「1.3520くらいまで落ちても良さそう」と書いたが、1.3530までは落ちたようだ。そのまま予想どおりに行くなら、次は1日か2日のうちに反発するが1.3600には届かない。もう一押しも当たったとすると、反発はさらに弱まるかもしれない。そして全体のムードとしては(所詮時足なので小さな動きに止まるだろうが)反落予想、ということになるか。日足週足月足が不明瞭ながら大きな反落があってもおかしくはない、というムード。

ドル円はレジスタンス120.45-50をマークした。一時話題になっていた、去年の春から形成された巨大なヘッドアンドショルダーズは、一応まだ明瞭に崩れたとは言いがたいが、話題からは完全に消え去った形。

ユーロ円は162円後半から163円前半までの狭いレンジを一旦下抜けたが、その下限まで回復。昨日はレンジ決め打ちに手を出さなくて良かったと書きましたが、どうでしょう。今のところまだ利益が出るレベルではないですが……
日足の鋭角的な上昇が崩れ始めている気もするが、断定するほどでもない。まぁ、断定できる状況を待ていたらいつまでもエントリーできないし、ここは更に下げると踏んでいいかなと思っています。私は買いポジションしか取れないので、さらなる下落を待つスタンス。週足、月足の160円割れ調整は依然期待して良いと思う。

ポンド円はユーロ円に準ず。なお両通貨にはデッドクロス間近との指摘あり。ユーロドルの反発予想とどう整合性を取るかも問題ですが、まぁ期待して待ちます。


結論は変わらず。ユーロ狙いでもう少し待つ。ドルユーロのユーロ反発がユーロ円の反発ではなくドル円の下落という形で生じれば楽しいのだが。


■今後の予定
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5/10 20:00 英BOE政策金利(0.25%利上げ織り込み済み)
   20:45 欧ECB政策金利(据え置き・タカ派声明織り込み済み)
5/16-17 日銀政策決定会合(利上げの噂あり)
5/18-19 ポツダムG8財相会合(円安批判?)
5/23-24 第二回米中戦略的経済対話(中国元の動きに注意)

6月 欧ECB利上げ織り込み済み
7月 日本参院選(政局見定め・日銀は参院選後利上げとも)
年内 米FOMC利下げ織り込み済み